Investment

プロジェクト

デングウイルス血清型別およびチクングニアウイルスを検出する迅速全血マルチプレックス抗原検査
  • Project ID
    T2025-283
  • 受領年
    2025
  • 投資金額
    ¥77,790,558
  • 病気
    NTD(Dengue)
  • 対象
    Diagnostic
  • 開発段階
    Technical Feasibility
  • パートナー
    宮崎大学 ,  マヒドン大学 ,  サンマルコス大学 ,  生物医学・環境技術研究センター ,  株式会社ビズジーン

イントロダクション/背景

イントロダクション
デング熱およびチクングニア熱は、主にネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊を媒介して感染するウイルス性疾患です。気候変動、都市化、国際的な人の移動の増加を背景に、これらの疾患はアジア、中南米、アフリカを中心とした熱帯・亜熱帯地域で流行が拡大しています。デング熱は世界で最も流行している蚊媒介感染症の一つであり、年間で数億人規模の感染が推定されるなど、公衆衛生上の大きな負担となっています。
デングウイルスには4つの血清型が存在し、感染後は同一血清型に対して長期免疫が成立する一方、異なる血清型による再感染では重症化リスクが高まることが知られています。このため、流行地域では血清型の分布や変化を把握することが、患者対応やアウトブレイク管理の観点から重要とされています。一方、チクングニア熱は急性期症状に加え、感染後に慢性的な関節痛を伴うことがあり、患者の生活の質や社会復帰に長期的な影響を及ぼす場合があります。しかし、デング熱とチクングニア熱は初期症状が類似しており、現場で迅速に鑑別・識別することは容易ではありません。
このような背景のもと、これらの疾患を現場で迅速かつ正確に鑑別・識別できる診断技術へのニーズが高まっています。株式会社ビズジーンは、低・中所得国で特に大きな疾病負荷をもたらす感染症を対象に、迅速かつ実用的な診断技術の研究開発を行う日本発のバイオテクノロジー企業です。本プロジェクトは、日本、タイ、ペルーの研究機関との共同研究成果を基盤とし、現場での早期診断と公衆衛生対応を支える診断製品の社会実装を目指しています。

プロジェクトの目的
本プロジェクトの目的は、デングウイルス(1~4型)およびチクングニアウイルスを全血から15分以内に同時検出・識別可能な迅速抗原検査キットを開発・検証することです。デングウイルスでは血清型の違いが臨床経過や重症化リスクに影響することが知られており、本検査は早期診断と適切な患者対応、ならびにアウトブレイク対策への貢献を目指します。

プロジェクト・デザイン
デングウイルスNS1抗原の血清型特異的検出技術と、チクングニアウイルスE1抗原に対するモノクローナル抗体を、迅速イムノクロマト検査プラットフォームに統合します。タイおよびペルーで臨床評価を行い、将来の規制承認およびWHO事前認証を見据えた開発を進めます。

本プロジェクトによって、グローバルヘルスの課題はどのように解決されますか?

デング熱とチクングニア熱は流行地域で同時に発生することが多く、現場では迅速な鑑別診断が公衆衛生上の重要課題となっています。本検査により、医療現場および一次医療レベルでの診断精度が向上し、重症化防止に加え、アウトブレイクの早期把握と地域レベルでの公衆衛生対応の迅速化に寄与します。

本プロジェクトが革新的である点は何ですか?

本プロジェクトは、ビズジーンと大阪大学の共同研究を通じて開発されたデングウイルスNS1抗原の血清型特異的検出技術を基盤として、デングウイルスの血清型識別とチクングニアウイルス抗原検出を組み合わせた、新規性の高い迅速診断検査の開発を目指すものです。本検査は、簡便性と高い分析性能の両立を目指し、低・中所得国の医療環境での使用に適した診断技術に設計されています。

各パートナーの役割と責任

ビズジーンは試薬設計、製造、規制対応を統括します。宮崎大学は技術・分析評価を担当するとともに、臨床研究設計を支援します。マヒドン大学はタイでの臨床試験と規制対応を担い、サンマルコス大学はペルーでの臨床評価を実施します。